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help リーダーに追加 RSS 知的障害者の成年後見(2)・・・!

<<   作成日時 : 2008/03/08 18:45   >>

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 たいへん遅くなりましたが、去る2月24日(日)に開催された「権利擁護・成年後見インストラクター養成講座」について、その概要をお知らせいたします。

 前回2月11日(祝)に続くこの講座。保護者・支援者を対象にした講座は、午前10時から昼食を挟んで午後3時半まで。内容は実に濃いものでした。また今回は午前中、知的障害者自身を対象にした「本人ワークショップ」も開催されました。

 さて、保護者・支援者を対象にした講座の午前中は、戸枝陽基さんによる権利擁護ワークショップでした。戸枝さんは、愛知県の社会福祉法人「むそう」(法人本部を中心に、生活支援、就労の場、生活の場など多角的に経営しています。)の理事長です。



 本題に入る前に、社会福祉法人「むそう」の前身であるNPO法人「ふわり」の活動理念がとても気に入っていますので、その沿革とともに紹介しておきましょう。

「むそう」ができるまで


〔1999(平成11)年〕
2月16日
 代表戸枝が1年間の準備期間を経て説明会を行う。60名を超える参加がある。

4月1日
 任意団体「障害のある方とご家族のための生活支援サービスふわり」開始。
 どんなに障害が重くても生まれ育った地域で生活し続けることを願う五組の障害のある方の家族と代表戸枝が、家を借りて、風呂・トイレ等を身障用に改装し、サービスの企画をして、広く利用を呼びかける形で事業を立ち上げる。
 レスパイト事業・余暇支援事業開始。

5月27日
 新聞にて、「障害者の介護 ひと休みも大切 『家族支援の家』できた 商店街の民家を活用」と題して、大きく取り上げられる。

〔2000(平成12)年〕
3月24日
 任意団体からNPO法人へ(認証取得) NPO法人ふわり誕生
 養護学校卒業後の昼間の活動の場を作るためにデイサービスを開始。

5月
 ホームページ開始

7月1日〜3日
 現代国際巨匠絵画展&ふわり活動展示会開催
 フランスから画家を招き、絵画展を開く。広く市民にふわりの活動をアピールし、1087名を動員。マスコミに取り上げられ、ふわりの活動が広く認知される。

〔2001(平成13)年〕
2月
 昼間の活動の場所つくりに自然養鶏(平飼養鶏)を開始。
 生まれた卵は、地域の方に届けます。生活支援の利用が順調に伸び、年間1万時間を越える。
 平成13年度より兄弟利用、スタッフ育児保障制度、ふわり専用緊急用携帯電話使用開始。

4月3日
 喫茶なちゅオープン
 駄菓子の販売をし、地域の子どもたちがいつも来店。

12月
 牛活動開始。
 地域の牛舎に頼まれ、牛小屋でエサやりや掃除を行う

〔2003(平成15)年〕
3月
 支援費 契約説明会

4月1日
 支援費制度開始
 それによりホームヘルプサービス・児童デイサービスぴゅん・知的障害者デイサービスりら開始
 平成15年度よりA会員利用料を¥800/時間とする。
 グループウェア導入・支援費ソフト導入

7月
 コンサルタント導入

8月18日
 社会福祉法人の認可が下りる。

9月
 社会福祉法人事務説明会 施設建設説明会

11月
 弁護士と成年後見について話し合いを開始

〔2004(平成16)年〕
2月
 グループホーム2件目開始(なかよしホーム)

4月
 知的障害者デイサービスほっと開始。

9月31日
 知的障害者デイサービスほっと廃止。

10月1日
 社会福祉法人むそう知的障害者通所授産施設アートスクウェア開始


社会福祉法人法人「むそう」のHPより




活動理念


国際障害者年を境に、障害者福祉の分野で、
「ノーマライゼーション(障害があっても可能な限り同年齢の人と同じ生活をする権利)」
という理念がしきりに叫ばれるようになりました。

それにともない、障害を持つ本人、そして、家族の中で、
「障害があっても、住みなれた街の慣れ親しんだ人達の中で、普通の暮らしを続けたい」
と願う方が増えてきました。

しかし、現実には、ノーマライゼーションのかけ声は大きくなっても、
街で暮らす障害を持つ方の生活は、家族が一身に背負い、
日々介助を続ける事によって成り立っています。

そして、家族がその負担に耐えきれなくなった時、
否応なく住み慣れた地域での生活に終止符を打たなければなりません。

どのような援助があれば、
障害を持つ方が、一人の市民として社会参加し、
生きがいを持って、自己実現に向けた生活を続けることができるのでしょう。

どのような援助があれば、
障害を持つ方の家族が、 ゆとりを感じ自分の人生を楽しみ、
互いに愛し合う事ができるのでしょう。

どのような援助があれば、
この街が、 障害を持つ方もかけがいない存在であることを受け止め、
共に生きる街になるのでしょう。

「障害のある方とご家族のための生活支援サービスふわり」は、これからの問いに応えるべく、
「必要なときに・必要な人に・必要な援助を」をモットーに、
小さな歩みではあっても、持てる限りの力の範囲で精一杯歩んでいきたいと思います。

ハンディキャップを持った方を
多くの市民の優しさや暖かさが自然にふわりと包み込むようになった時、
この街は、誰もが住みやすい街になっていると思います。
共に生きる社会実現のために手をつなぎましょう。


誰もがいつかは人の支援を必要とします。


NPO法人「ふわり」のHPより




 最後の『誰もがいつかは人の支援を必要とします。』という一文がいいですね。


 さて、その戸枝さんの話の概要(要旨)です。(画像は、戸枝さんのご了解をいただいて使用しています。)

○ある母親からの依頼にまつわる話から・・・
・末期がんを通告された母親が、社会福祉法人「むそう」の施設を利用している我が息子の将来を案じ、全財産と共に自分に託そうとした。
・しかし、自分はそれについては断固断った。
・息子さんの将来は長い。一方、施設長は世代交代する。二代目・三代目がどのような人物であるか、その質の保障はない。
・サービス提供者がお金を預かるのは問題である。合法的に使い込むことさえできる。特定の施設に子どもを将来を預けてはだめ。結局は息子さんの選択肢がなくなる。預かった施設が他の施設を紹介するわけがない。
・最高の後見人に託して、その時その時最高の施設を選択することが良策である。
・後見人であれば、無通告で施設を視察できる。親が安心して死ねる状況をつくる支援者となりうる。
・その母親は、26歳の息子に生活支援と権利擁護システムを整えて、46歳の生涯を終えられた。

○遺言書の大切さについて・・・
・自分の意志が表明できない子どもさんがいる場合は、親とし遺言書を作成しておくことが大切である。
・遺言書の内容は、財産管理に関することもさることながら、むしろ身辺監護に関することの方が大切である。親亡き後、子どもにどのような生活をさせたいのかということについてである。
 ただ、親が背負ってきた苦労を兄弟に背負わせるような発想があってはならない。兄弟に世話をという親の発想は、親と子を同化した発想である。

○権利擁護とは・・・
・知的障害者が「ひどいめにあった」としてあげた内容がある。「入店を拒否された」「ホームの食事がまずい」「不審者扱いされた」「エッチなことを他人にされた」・・・・などである。様々に人権が侵されている現状ある。しかし、ややもすると最大の人権侵害者は親であることが多い。注意すべきである。
・権利擁護とは、知的障害者がひとりで決めることが難しいことを、ともに考えること、ともに守ること。知的障害者に取り消すことが選べるようにすること。
・親だから言えないこともある。親には言えないことがある。だから親以外に、ともに考え、ともに守るシステムがいる。このシステムをうまく使い分けることが必要。







○ひとりで決められないこと、困ったことなどを・・・
・子どもが20歳を過ぎれば、親権はない。言うなれば、親といえども親戚のおじさん、おばさんと同じ立場。このことに早く気づかなければならない。



○できること、できなくなること・・・
・成年後見制度を利用すると、できるようになること、できなくなることを承知しておくことが必要。先の相談のあった母親の息子さんは、選挙に行くことをこの上なく楽しみにしていたこともあって、「後見」でなく「補助」にした。安心と不自由の関係を理解し最適の支援システムを利用したいものである。 





 戸枝さんのあくまで知的障害者本人の立場に立った話(それは究極的に親御さんの願いに通ずること)によって、前回の研修では「遺言書なんて・・・」「そこまでしなくても兄弟は・・・」と思われていた方々も多く、成年後見制の利用とセットで考え直してみようと思われ始めたようです。特に、末期ガンを通告された母親が我が子が生きる環境・条件づくりに最後の力を注がれた映像は、親御さんでもある各地域育成会代表の皆さんに、大きな衝撃を与えたようであり、親亡き後の生活設計の必要性、親と成年後見との違いなどへの理解が一気に深まったようにも見えました。

 それにしても、戸枝さんの精力的で底力のある実践活動には感服します。戸枝さんは1968(昭和43)年10月生まれの39歳・・・まさに脂ののりきったところです。今後どのように福祉にインパクトを与え続けるのか、その活躍がとても楽しみです。(よい刺激になります。) 
 と同時に、そうした彼が経営する社会福祉法人「むそう」の実際活動を見てみたくなりました。理念も経営手法も法人経営上大いに参考になる一つのモデルのようにも思えるものですから・・・。
 

 さてさて、文量が思いのほか多くなりました。
 講座午後の部については、次回以降にまわすことにいたします。





安芸の宮島



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